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コロナ禍のプロスポーツの深刻さ 選手たちの年俸はどうなる?

(2020年11月6日 東京新聞に掲載)

 プロ野球の選手たちはコロナ禍に直面しながら最終盤の戦いに臨んでいる。この後に待つのが契約更改だ。選手会は先月末、一方的な減俸にくぎを刺す要望書を12球団側に出した。「厳冬」をにらんで先手を打った形だが、世界を見渡すとより深刻な状況が浮き彫りになっている。プロスポーツの選手たちはこの先、どうなっていくのだろうか。(榊原崇仁)

「一律で減俸は控えてほしい」と選手会

 今季のプロ野球は、当初予定から約3カ月遅れの6月19日に開幕した。試合数は例年の各球団143試合から120試合に減らしたほか、観客の入場を制限し、7月まで無観客試合が続いた。以後、「最大5000人」「収容人数の5割まで」と緩和したが、やはり空席が印象に残った。

 当然ながら入場料収入は落ち込んでいる。それは選手の年俸の原資が減っていることを意味する。プロ野球選手会の森忠仁事務局長は「減収は理解している。しかし何の話し合いもないまま一律の割合で減俸という形は控えてもらいたいと考え、その旨を先月末に要望した」と説明する。

 ただ、選手にとって難しい状況であることは間違いない。例年より試合数が少ない分、打者なら本塁打数や打点数、投手なら勝利数などは増えにくい。つまり、見栄えのよい数字が残りにくくなっているのが今季の特徴なのだ。

 スポーツライターの中島大輔さんは「契約更改でアップ額が抑えられるかもしれない。数字が悪かった高給取りの選手には、年俸の大幅減が提示されたり、戦力外通告がなされたりする可能性がある」と語る。

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シーズン当初の6月、無観客で行われた中日ー広島戦=ナゴヤドームで

米大リーグもどうなるか分からない

 その一方、「横浜DeNAベイスターズのソト選手のように今季で契約が切れる実力派の外国人選手の場合、例年なら米国の大リーグに復帰する話が進みそうだが、コロナ禍で向こうは大変なので横浜残留や国内移籍に傾くかも」と話す。

 大リーグは異例ずくめの1年だった。試合数は162試合から60試合に減り、いずれも無観客試合に。全30球団で約3150億円の損失が出た。労使交渉で選手は試合数に比例し、満額の37%の年俸に減額することで合意した。

 既に閉幕した大リーグでこれから焦点になるのは、選手たちの移籍だ。通常、シーズンオフにはFAの大物選手が多く出る。近年は、スポーツジャーナリストの生島淳さんが「目玉が飛び出るような契約」と語るように、「12年間で400億円」といった巨額契約もあった。しかし、コロナ禍では「そんな契約はしづらい。来年がどうなるかも分からないから。田中将大選手もフリーになるけど、どうなるか…」(生島さん)。

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