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透明トイレに興味津々?汚い・怖い「公衆便所」のイメージ払拭

(2020年8月19日 東京新聞に掲載)

 東京都渋谷区の公園に「透けるトイレ」が登場した。使用中はガラスの壁が曇って見えなくなるが、そうでない時は中が丸見えだ。「開放的」なトイレを使う人はいるのだろうか。半信半疑で訪れると、見物する人、使う人…。ひっきりなしに人が訪れていた。(木原育子)

渋谷の公園に登場 クリーンで安全 インスタ映え

 東京メトロ千代田線代々木公園駅出口すぐの渋谷区立代々木深町小公園。目に飛び込んできたのは、カラフルでモダンな壁面のトイレ。無駄な装飾をなくしたスタイリッシュないでたちで、夏の新緑にも映える。が、中の便器が丸見え。ちょっとぎょっとする。

 仕事途中に訪れたカメラマンの今井康一さん(43)はトイレ前で、同僚の2人の女性と撮影。今井さんがトイレに入り、カギを開けたり閉めたりすると、今井さんが見えたり見えなくなったりした。二人の女性は「マジウケる。動画撮っていい? マジックみたい」。

 「公園からホームレスを排除して『街づくりです』と言うのは違う気がするが、クリエーティブな取り組みなら応援したい」と今井さんは語った。

話題を呼ぶ「透けるトイレ」。写真撮影などで訪れる人がたえない=東京都渋谷区の代々木深町小公園で

話題を呼ぶ「透けるトイレ」。写真撮影などで訪れる人がたえない=東京都渋谷区の代々木深町小公園で

 トイレは日本財団が設置した。建築家の坂茂(ばんしげる)氏が手掛け、清潔かどうか、中に人がひそんでないかという心配をぬぐうために透明にした。特殊ガラスの壁は通電すると透ける仕掛け。鍵を掛けるとガラスを通る電気が止まって曇る。夜はあんどんのように照らし、災害などで停電すると中は見えない状態になる。

「見るだけ」「撮るだけ」含め3時間で44人

 5日に設置したばかりなのに、ホームヘルパーの鈴木麻実子さん(49)は早くも常連だ。「きれいで使いやすい。このトイレに入って気合を入れて、介護の仕事に向かうの。試してみて」。そんな言葉に背中を押され、トイレに入った。鍵を掛けずに外に手を振ると、横の歩道を歩く女子高生に「やだ~」と爆笑された。

 鍵を掛けると、一瞬にして曇りガラスに。世間から急に遮断されたような錯覚に陥った。とはいえ、本当に外から見えていないのか、やはりやや不安だ。便器の前後は鏡張り。自分の姿が自分に見えてしまうのが、何だか気になった。

 トイレの外に出ると、江田(こうだ)雄司さん(54)がトイレ掃除をしていた。便器を念入りに拭きながら「公衆トイレは汚いと思われがちですが、イメージを変えるチャンス。やりがいがある」と、さわやかな笑顔を振りまいていた。

 建築関係の仕事をしているというスーツ姿の男性4人組は、場違いな真剣な表情をしていた。ツイッターで話題になっていたので視察に来たという。「商機を感じまして」

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