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東京五輪「ワクチンなしでも安全に開催できる」って本当ですか?

(2020年9月24日東京新聞に掲載)

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は22日に公開した文書で、新型コロナウイルスで延期となった東京五輪を巡り「ワクチンなしでも安全に開催できることが示された」とした。テニスの全米オープンなどの開催を受け、五輪も開けるとアピールしたいらしい。ワクチンなしでの開催は、本当に「あり」なのか。(大野孝志)

バッハ会長の自信の根拠

 「制限下でも大会を安全に組織できることが分かってきた。このことは五輪を含む今後の大会準備に自信を与えてくれるはずだ」。バッハ会長はIOCのホームページで公開した「オリンピズム(五輪の精神)とコロナ」と題した文書でこう記し、五輪開催への意欲を示した。その上で「ワクチンなしでも安全に開催できることが示された。一方で、ワクチンは全ての問題を解決する打開策でないことは認識しなければいけない」とも書いている。

 この言葉は「最近の数週間で示された」ということから、欧州サッカーや、大坂なおみ選手が優勝したテニスの全米オープンといった大会が、コロナ対策の上で開催されたことが念頭にあるようだ。だが、いずれも無観客か、観客数を大きく減らしての開催だ。

 そもそも、五輪延期決定から2カ月後の5月当時、バッハ会長はワクチン開発の五輪開催への影響を「世界保健機関(WHO)の助言に基づき、適切な時期に適切な決断を下す」と述べるにとどめ、10月にも開催の可否が判断されるとの見方があった。一方で安倍晋三首相(当時)は「国内外の英知を結集して治療薬とワクチンの開発を急ぎたい。五輪を開催する上で治療薬、ワクチンは極めて重要だ」と述べていた。

ワクチン開発は難航している

 そのワクチン開発は、簡単ではなさそうだ。英製薬大手アストラゼネカは、被験者に副作用が疑われるとして治験を一時中断した。2009年の新型インフルエンザに対応した高橋和郎・国際医療福祉大教授(臨床検査医学)は「多くの研究者が、五輪までにはそう簡単にできないと考えている。安全性、有効性の確認が、通常なら間に合わない。認可の審査を超特急でやり、有効であろうと想定して見切り発車するか。有効なワクチンがあれば、感染者が入国してもそんなに広がらないだろうが…文書の言葉の根拠は何なのでしょう」と首をひねる。

 「バッハ会長はワクチンがあろうがなかろうが、とにかく開くんだと考えているのでは」と、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏が指摘する。「IOCが向き合うべきは人の命や尊厳なのに、もうけ至上の興行的発想になっている」

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