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路上生活者に10万円が届かない不条理と、「住民登録」にこだわる政府

(2020年8月1日東京新聞に掲載)

 路上で暮らす野宿者が、新型コロナの感染拡大に伴う1人10万円の定額給付金を受け取れていない。自治体への「住民登録」という条件が、大きな壁となって立ちはだかっているのだ。中には、もらうことを諦めてしまった人もいる。億万長者でももらえるのに、最も困窮している人たちが例外になる。こんな不条理を放置して、なぜ国は住民登録にこだわるのか。(石井紀代美)

いくら訴えても…「もう、あきらめた」

 「難しいです」「ご理解いただければと思います」―。野宿者も10万円がもらえるよう、支援団体が7月30日、国に対応を求めた。だが、総務省の担当者はそんな言葉を繰り返した。

 要望したのは、東京都大田区内で支援活動を続ける「蒲田・大森野宿者夜回りの会」。メンバーで医師の越智祥太氏は「コロナの影響で、ネットカフェなどで寝泊まりしていた30代の若者が、次々と路上に出てきている。ケータイもない。面接を受けに行く交通費もない。給付金は大きい」と訴えた。

 同区で約20年、路上生活を続ける男性(69)も会合に参加。だが、発言を促されても「俺はいいよ」とマイクを握らなかった。終了後、取材に対して「もう、あきらめた」とこぼした。

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総務省の担当者(右側)に質問する「蒲田・大森野宿者夜回りの会」の越智祥太医師(左から2人目)=7月30日、東京・永田町の衆院第1議員会館で


 男性は6月下旬、知り合いの行政書士に代理申請を依頼し、住民登録がないからと断られた。男性は「路上生活者はどんなに貧しくてももらえない。そりゃ、理不尽だと思いますよ」と憤りをにじませる。

二重給付を防ぐためと言うが…

 支給の壁になっているのが住民登録。登録するには、もちろん住む場所が必要だ。野宿者といえば、川のそばや橋の下、公園などで生活している。ただ、どれだけ長く暮らそうと、そこは住所と認められない。

 総務省地域政策課特別定額給付金室の鳴田真也課長補佐は「過去の判例で、テントなどでの住民登録はできないと判断されている」と語る。確かに過去、公園に住む野宿者が住民登録できるかどうか最高裁まで争われた。一審は「登録できる」という判断。その後の判決では「都市公園の機能が損なわれる」などという理由で認められなかった。

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