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安倍政権の国政の私物化 「桜を見る会」追及はここから始まった<全文無料公開>

 安倍政権では「モリ・カケ・サクラ」で国政の私物化に批判が集まりましたが、そのうちの1つ「桜を見る会」への追及が始まった発端が東京新聞の「こちら特報部」であることをご存知でしょうか?
 最初に「桜を見る会」の支出が予算の3倍となっていたことを2019年5月の衆院決算行政監視委員会で取り上げた共産党の宮本徹氏は、この記事を見て内閣府に問い合わせたのが始まりだと話しています。
 特報webの記事は通常、1本100円で販売していますが、特別に無料で全文を公開します。

(2019年4月16日東京新聞に掲載)

 安倍晋三首相主催で13日に開かれた「桜を見る会」が物議を醸している。この会は、各界で功績や功労があった人たちをねぎらおうと、歴代首相も手掛けてきたが、今年は安倍首相の「お友だち」の姿が目立った。さらに、開催に数千万円の税金が投じられるのに、招待者の氏名すら公表されないのだ。「何のための会なのか」と疑問の声が上がる。(榊原崇仁)

昨今は政策宣伝の趣も…

 東京・新宿御苑で13日に開かれた会には、人気子役の寺田心君や歌舞伎俳優の市川猿之助さんら、各界からの招待者やその家族の1万8000人が訪れた。

2019年4月、「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる安倍首相(中央左)と昭恵夫人ら

2019年4月、「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる安倍首相(中央左)と昭恵夫人ら

 最初に「桜を見る会」が開かれたのは、吉田茂首相だった1952年。以後、例年4月半ばに新宿御苑で開かれ、今回は64回目となる。首相の冒頭あいさつと乾杯以外、式次第はなく、来場者は桜を見ながら懇談を楽しむのが通例だ。

 2011年の東日本大震災などで開催が自粛された後、13年に安倍首相が再開。北朝鮮のミサイル発射や学校法人「森友学園」問題の渦中で批判を浴びながらでも開催してきた。昨今は政策宣伝の趣も強く、この日もあいさつで「10月からは幼児教育・保育の無償化が始まる。児童虐待撲滅の法案を成立させる」とアピールを忘れなかった。

活躍していても政権に批判的だと声かからず?

 どんな人が招待されるのか。内閣府によると、関係省庁が各界各層から推薦する以外に、与党の推薦者もおり、人数は与党絡みの方が多いという。

 今年の招待客で目立ったのは、何の「功労」だろうか、作家の百田尚樹氏や竹田恒泰氏、タレントのケント・ギルバート氏ら、排外主義的な思想を掲げるネット右翼(ネトウヨ)から人気を集める「右派文化人」。安倍首相と記念撮影した様子を、うれしげにツイッターに投稿していた。

 一方、ツイッターに「なぜ俺のところには招待状が届かないのだろう」と投稿したのは、ジャーナリストの津田大介氏。近年の活躍から、呼ばれてもよさそうだ。「こちら特報部」が津田氏に真意を尋ねると、「完全に皮肉ですよ」と笑う。「招待状は政府系の仕事をやっている人に来ると思っている。あの場にのこのこ出ていって記念撮影するのは、安倍首相をすごく支持しているみたいで、かなりつらそう」。安倍政権に批判的な意見の人には、声が掛かりにくいのかもしれない。

税金から出る開催費用、安倍政権下で急増

 では、この会の開催費用はどこから支出されているのか。内閣府によると、今年の費用は「5000万円程度」で、一般会計に盛り込まれているという。つまり税金だ。問題はその額で、13年は約3500万円だったので、およそ1500万円増えている。内訳を調べると、会場設営や警備の費用のほか、茶菓子や樽酒(たるざけ)、焼き鳥といったもてなし用の飲食代が増加している。

 内閣府官房総務課の江上博文氏は「会場絡みの支出はテロ対策の意識が強まった結果。飲食代に関しては招待客に同行する家族が増えているため」と説明するのだが…。

専門家「何のための会か曖昧に」

 専修大の岡田憲治教授(政治学)は近年の会を見て「公費の使い方が妥当なのかと疑問を抱かざるを得ない」と首をかしげる。

 招待客の氏名は、功労者のはずなのに個人情報に当たるとして公表されず、実際に来ているのは「首相の私設応援団のよう」だからだ。「何のための会か、曖昧になっている。与党の推薦による出席者も多いとなると、政治色の強いパーティーにも思えてしまう。安倍政権は『支持率が高ければ何をやっても構わない』と振る舞ってきた。この会にも、そんなおごりが見え隠れする」

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