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コロナ激務でもボーナス0!?看護師が大量退職希望…医療崩壊は感染増より経営難でやってくる

(2020年7月17日東京新聞に掲載)

 コロナ禍の中、東京女子医大が夏のボーナス(賞与)をゼロにすると通知し、退職を希望する看護師が400人に上る可能性があると、労働組合が明らかにした。医療機関の経営悪化は全国で起きているが、医師や看護師への支援は十分ではない。一方、東京都の新規感染者は16日に過去最多の286人になっている。医療崩壊の懸念を抱えたまま、「第2波」に対応できるのか。 (榊原崇仁、安藤恭子)

医師も患者も…心境は複雑

 1900年創立の名門で、「日本で唯一の女子医科大学」としている東京女子医大(東京都新宿区)。1000床を超える病床を持ち、救急搬送の受け入れも行っている同大病院周辺を「こちら特報部」が訪れると、いつもと変わらず白衣姿の医師や学生らが行き交っていた。

 賞与と退職希望について尋ねると、一様に複雑な胸の内を明かす。若手の男性技師は「ボーナスの話はみんな知ってる。辞めたい人が出るのは当然」と嘆いた。男性医師の1人は「士気なんて上がるはずがないですよね」と話した。

 通院している70代女性は「やっぱり、かわいそうですよね。ただ、ボーナスは大学の中の話。患者の私たちが何か言ったところで、偉い人たちに届くかどうか」と心配そうに語った。検査のために病院を訪れた50代女性は「前々から経営が厳しいという話を聞いていた。私の主治医は別の病院に行ってしまった」と話した。

コロナ患者も受け入れ…名門医大で何があったのか

 実際何があったのか。労組側に確認すると、労使交渉中で慎重な対応にならざるを得ないためか、労組のホームページ(HP)を見てほしいと案内された。

 それによると、「ボーナスゼロ」は6月11日に大学側から通知された。コロナ禍で大きな影響を受けたとして「未曽有の収入悪化」「4月からの2カ月で30億円近いマイナスになる」と告げられたという。各地の病院でコロナ感染を心配する患者の「受診控え」が生じる中、同大も例に漏れなかったようだ。

 ただ、負担が増えたのは現場も同じだった。感染症指定医療機関ではないにもかかわらず、東京都の要請でコロナの患者を受け入れた。労組のHPには「毎日毎日苦しい思いをしながら必死に働き、コロナエリアにも駆りだされた」「感染リスクを負いながら働いた」といった声がつづられている。

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