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コロナ長期化で生活困窮が深刻に…母子家庭に届かぬ行政の支援

(2020年7月26日東京新聞に掲載)

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、シングルマザーなどひとり親世帯の困窮が深刻になっている。もともと非正規の仕事で働きながら子育てしている人が少なくなく、休業などで収入が減るとたちまち生活苦に陥るケースが目立つ。コロナ禍で追い詰められる家庭をなくすために、どんな支援が必要なのか。 (中山岳)

孤独な子育て 貯金も底つき…

 「子どもを産んだ後、誰にも相談できず不安でいっぱいだった。新型コロナにかかる怖さよりも精神的につらくて死にそうだった」

 大阪市に住むシングルマザーの女性(19)は、こう語る。3月に長男を出産。子どもの父親は育児の責任から逃げ、女性のもとを去った。女性は中学時代に義父から性暴力を受け、母も助けてくれなかったため、頼れない。実家から離れて暮らしながら、1人で子育てせざるをえなかった。

 出産前に勤めた美容室はコロナ禍で業績が悪化し、復職できなくなった。十数万円あった貯金は、すぐ底をついた。育休手当、児童手当、ひとり親世帯に支給される児童扶養手当を合わせ、ひと月に支給されるのは約14万円。生活費の不足に直面した。

空っぽの冷蔵庫 家賃も滞納

 児童扶養手当を申請しても入金まで時間がかかり、3~5月は特に困窮した。乳児の世話にかかりきりで外出できず、冷蔵庫は空っぽに。家賃を滞納し電気も止められそうになった。女性は「1カ月ほどは白いご飯だけを食べて過ごした。5月まではマスクも手に入らず、区役所の保健師に聞いても『みんなしんどいから』と言われただけだった」と振り返る。

シングルマザーの女性が、長男の成長を願い作ったマスク。乳児は自分で外せないリスクも調べ、普段は着けさせていない。(女性提供)

シングルマザーの女性が、長男の成長を願い作ったマスク。乳児は自分で外せないリスクも調べ、普段は着けさせていない。(女性提供)

 女性から相談を受けたことをきっかけにサポートしている社会福祉士の辻由起子さんは「他のシングルマザーからも、困窮しご飯を食べられない、家賃を払えないといった訴えが次々に寄せられている」と話す。

国の支援策は「使い勝手が悪い」

 コロナ禍の緊急経済対策で政府は1人10万円の定額給付金に加え、低所得者の生活費を融資する「緊急小口資金」制度を拡充。社会福祉協議会などが申請を受け付け、最大20万円を無利子で借りられる。

 ただ、こうした支援策は、シングルマザーを含めたひとり親世帯に必ずしも届いていない。ひとり親には、家族らからDVを受けるなどして避難し、住民票上の住所と別の場所で生活している人もいる。定額給付金の申請書が届かないなど、住所が必要になる支援策をすぐには利用できないからだ。

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