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学術会議より多様性のない内閣…菅首相の言い訳は「ネタ」扱い

(2020年11月5日 東京新聞に掲載)

 日本学術会議の任命拒否問題を巡り、菅義偉首相(71)の的外れな発言が続いている。会員構成の偏りを批判しながらも、実態はそれほどでもなく、むしろ、内閣や自民党などの方が多様性に富んでいるとは言い難い状況になっている。他の組織の在り方に口を出す前に、自らの足元を見直すのが先ではないのか。 (大平樹)

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「多様性」を多用するけど…

 「民間や若手、地方の人も選任される多様性が大事」「一部の大学に偏っているのは客観的事実」。菅氏は10月26日のNHK番組で、学術会議が推薦した105人のうち6人を拒否した背景を説明。29日の国会審議でも「民間出身者や若手が少なく、大学にも偏りが見られることも踏まえ、多様性が大事であることを念頭に任命権者として判断を行った」と繰り返した。

 任命拒否されたのは、松宮孝明・立命館大教授(刑事法)、小沢隆一・東京慈恵医大教授(憲法)、岡田正則・早稲田大教授(行政法)、宇野重規・東京大教授(政治学)、加藤陽子・東京大教授(歴史学)、芦名定道・京都大教授(キリスト教学)の6人。

官僚だって同じ比率

 半数の3人は東大と京大が占めたものの、小沢氏は東京慈恵医大で唯一の候補。また、学術会議によると、6人を除く会員204人が所属する大学は東大34人、京大16人で、両大が占める割合は24.5%。2005年の35.2%から10ポイント以上減り、その分、他大から選ばれるようになった。

 翻って、東大と京大出身者が多いとされるキャリア官僚。人事院によると、本年度の国家公務員採用総合職試験の合格者1717人のうち、両大卒は約22%の380人。学術会議の比率とそう変わらない

内閣は「若手」も女性もわずか

 菅氏は国会審議で、6人のうち最年少の53歳の宇野氏ですら若手には当たらないとの認識を示した。ただ、閣僚21人の顔触れを見ると、53歳未満は武田良太総務相(52)、井上信治科学技術担当相(51)、小泉進次郎環境相(39)の3人にすぎず、民間からの登用もない。自民党の4役も、二階俊博幹事長(81)を筆頭に全員、65歳以上の男性だ。

 女性登用はもっと悲惨。閣僚では上川陽子法相(67)と橋本聖子五輪担当相(56)の2人にとどまる。直前の第4次安倍晋三再改造内閣の20人中3人から、さらに悪化した。これに対し学術会議は、全体の20%の42人しかいなかった05年から改善が進み、20年は37.7%の77人に増加。菅内閣よりよっぽど女性の意見を反映させられそうだ。

あれこれ言い訳…その裏に真の理由が

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