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ゲバラTシャツで議員会館への入館拒否 安倍政権の負の遺産か?

(2020年10月5日東京新聞に掲載)

 表現の自由を侵害する動きが、また広がっている。さいたま市の男性が8月、革命家チェ・ゲバラの顔がプリントされたTシャツ姿で衆議院第2議員会館に入ろうとしたところ、業務委託を受けた民間の警備員から制止された。「政治的主張にあたり、中立性を欠く」と判断されたからだ。識者は「言われなくても勝手に自粛する、国民皆忖度(そんたく)社会だ」と警鐘を鳴らしている。(古川雅和)

Tシャツ裏返して政治的主張なくすよう指示

 問題が起きたのは8月24日。第2議員会館前で政府への抗議活動をした石垣敏夫さん(79)が終了後、入館証をもらい、ゲバラがプリントされたTシャツを着たまま建物内に入ろうとしたところ、警備員に止められた。会館が館内での禁止事項として明記する「鉢巻き、たすき、ゼッケン、腕章等」の「等」の部分に石垣さんが着ていたTシャツが該当する、との理由だった。

 警備員は政治的主張をなくすように、Tシャツを裏返しすることも求めたという。騒ぎを聞きつけた別の警備員が、止めたことを石垣さんらに謝罪したが、表現の自由を侵害したことは認めなかった。

議員会館側との話し合いで、説明を求める石垣敏夫さん(中央)ら=東京・永田町の衆院第1議員会館で

議員会館側との話し合いで、説明を求める石垣敏夫さん(中央)ら=東京・永田町の衆院第1議員会館で

 石垣さんらは会館に抗議し、会館側も「警備員が禁止事項を誤認識した」との謝罪文を出した。だが、具体的な誤認識の内容は書かず、話し合いは継続。今月2日に行われた5回目でも、会館側は「われわれのところで書けるのは、ここ(「誤認識した」)まで」と説明した。

 石垣さんらは、図柄を政治的主張や中立性の欠如と判断したことが入館禁止の理由になったと謝罪文に明示しなければ「同じことが繰り返されてしまう」と、再考を強く求めた。

表現の自由の侵害 後を絶たず

 表現の自由を巡っては2014年6月、さいたま市で公民館が「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ女性の句を公民館だよりに載せなかった「九条俳句」問題が起きた。女性は市を訴え、4年以上の係争の末、18年12月の最高裁決定で、不掲載は違法とする判断が確定した。

 それでも、18年6月に「No9 NO WAR」とデザインされたTシャツを着た女性が参議院の委員会を傍聴しようとした際に通用門で制止されるなど同様の問題は後を絶たない。

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