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米中対立でTikTokが規制されたのは米兵がやりすぎていたから

(2020年7月31日東京新聞に掲載)

 米中対立が深まる中、若者に人気の中国製の動画アプリ「TikTok」を規制する動きが米国、インドに続き日本にも波及している。自民党議連は28日の会合で、中国製アプリの使用制限を政府に提言するとした。ただ「TikTokからスマートフォン内の情報が抜き取られ、中国政府に渡っている」という米国側の主張に、現段階で確実な証拠がない。この規制騒ぎ、どう考えればよいのか。 (大野孝志)

規制の動きに活用自治体困惑

 「使用制限の動きは中国が関与したアプリ全体が対象なのか、TikTokだけなのか、状況が分からない。動きを注視していくしかない」。神奈川県知事室の大塚美保・広報戦略担当課長は困惑を隠せない。

 県は昨年11月、TikTok側と広報戦略への助言について協定を締結した。これまでに持続可能な開発目標(SDGs)や障害者との共生をPRする動画を公開し、積極活用している。「TikTokは中高生が多く使っているので、若い世代に響く広報手法の助言を得たい」と大塚氏。「県のネットワークにつながっていない端末を使っており、県の情報が漏れることはない」と強調した。

若者に人気の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」=東京都千代田区で

若者に人気の動画投稿アプリ「TikTok」=東京都千代田区で

芸人気分お手軽に

 TikTokとは何か。スマホ向けのアプリで、選んだ音楽と撮影した動画を組み合わせて公開して楽しむ。顔にひげを描くなど加工した表情で、音楽に合わせて踊るコミカルな動画を作れ、若者の間で人気だ。東京都内の女子大学生(21)は「オンラインで誰もが主役になれ、プチ芸能人になれる」。その情報発信力から、神奈川県のほかにも横浜、神戸両市、埼玉、大阪、広島の各府県が広報活動での提携を結んだ。

「個人情報が中国に」

 ところが、米国ではポンペオ国務長官が今月、国内での使用禁止を検討中と表明した。アプリを使うことで、個人情報が中国共産党に渡る恐れがあるというのだ。インドでは既に使用禁止を決めている。

 日本では甘利明・元経済再生担当相が会長の自民党のルール形成戦略議連が、中国企業が手掛けるアプリの使用制限を政府に提言する方針。甘利氏は米国の要求を踏まえたと説明した。

 一方のTikTok広報部は「疑惑」を明確に否定。「ユーザー(使用者)の安心安全なアプリ体験を促進することは最優先事項。中国政府にユーザーデータ(使用者の情報)を提供したことはなく、要請されたとしても提供することはない」との声明を出した。

米兵募集に活用した代償が

 それにしても、「若者のお楽しみアプリ」と、米中対立という国際問題がイメージとして結びつかない。なぜ騒ぎになるのか。

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