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コロナ禍で病院経営も「重症化」 設備経費が圧迫「やればやるほど赤字…」

(2020年11月17日東京新聞に掲載)

 コロナ禍が医療機関に与えたダメージは深刻だ。病院関連3団体が7~9月の病院経営状況を調査した結果では、受診控えやコロナ対策備品代などで経営が圧迫され、半数の病院が依然赤字だった。第3波襲来の兆しが見える中、どう医療機関の「重篤化」を防ぐか。(中沢佳子)

受診控えが続く小児科、眼科、耳鼻科

 「運転資金が足りない状況は今も続いている」と窮状を語るのは、インターパーク倉持呼吸器内科(宇都宮市)の倉持仁院長。発熱外来の診療スペース増設や医療機器購入など設備投資がかさんだ上、マスクや防護服など備品代もばかにならない。コロナ対応でスタッフを増員し、人件費も前年の2割増しに。「コロナ対応はPCR検査や解熱剤の処方ぐらいで、膨らむ一方の出費に見合う診療報酬が入らない。やればやるほど赤字になってしまう」

 倉持さんの診療所は人員や給与の削減は考えていない。しかしこれから各地で破綻する医療機関が出かねないとみる。「患者の戻りがまだ5~7割ぐらいのところもある。職員のパート化や廃業の話も聞く」

 コロナ禍での受診控え、急ぎではない手術や入院の先延ばし、対策費の負担増が響き、医療機関の収益は悪化したままだ。日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の調査では、回答した全国の1460病院のうち、7月も赤字だったのは53.8%。八月は48.6%、九月が52.0%だった。赤字が6割超だった4~6月に比べれば改善したが、3団体は「上半期の収支悪化が目に余る。今後、冬の賞与の支払いや資金需要が増える時期になる。入院や外来数を戻そうにも、小児科、眼科、耳鼻科などは受診控えが続いている」と訴える。

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ストライキを行い、街頭で医療機関への財政支援などを求める代々木病院の職員ら=5日、東京都渋谷区で

 政府は本年度第2次補正予算で、病院などへの無利子、無担保の融資制度を拡充。医療従事者などへの慰労金支給や、コロナ患者受け入れに備えた空床の確保料補助などに乗り出したが、こうした窮状を救えてはいない。

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