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コロナ禍の忘年会シーズン やらないのが一番だけど…どうする?

(2020年11月19日東京新聞に掲載)

 まもなく忘年会シーズンがやってくる。すでに北風に吹かれている飲食店にとっては、客足が戻るかどうか死活問題でもある。が、新型コロナの感染者は全国で急増し、18日には1日で2000人を超え、過去最多を更新した。感染を防ぐには忘年会を見送るのが一番良い。とはいっても、中には避けられない人もいるだろう。忘年会のリスクを少しでも下げるには、どうすればいいのか。(大野孝志、中山岳)

飲食店から悲鳴続々「売り上げは半分以下」

 サラリーマンらでにぎわう東京・新橋の18日の昼時。10人ほどの行列ができている定食屋やラーメン店もあるが、コロナ前に比べると人通りは少ない。中華料理店「四季煲坊(ぼうほう)」店主の郭文玉さん(52)が嘆く。「例年なら団体の予約が週に一回はあったけど、今年は全然。予約なしのお客さんも少ない。売り上げはいつもの半分以下だね」

 店の入り口に、客の体温を測るタブレット端末のような検温器を置いた。換気のため、日中はドアを開け放し。いくら寒くても三十分に一回は空気を入れ替える。手に取りやすいよう、各テーブルの上にアルコール消毒液。飛沫(ひまつ)の拡散を防ぐ仕切り板も忘れない。

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感染対策のため入り口に検温器が設置された「四季煲坊」=18日午後、東京都港区で

 「店が狭くて、席を減らしても空いた椅子を置く場所がない」と郭さん。客同士が間隔を空けて座るよう、郭さんが案内する。「スーパーコンピューターの計算で、湿度を保てば飛沫が遠くまで飛びにくいとテレビでやっていた。うちは火鍋をいつも作っているから湿気はある。でも、お客さんがおしゃべりしないで、さっと食べて、さっと帰るのがいちばん良いみたい」と苦笑い。

「12月の予約が入ってない」「常連9割減った」

 別の中華料理店は正午前に満席に。それでも経営者の妻の50代の女性は「ランチの時間帯なのに、人出は先週の3分の1くらい。都内で第3波と言われ、北海道でも感染者が増えているからでしょう」とみる。客の間隔を取るため、2人連れでも4人席に案内する。対面を避けて壁に向いて座るテーブルも。透明のビニールシートで覆われたレジで、女性がため息をつく。「例年なら忘年会の予約が入り始める頃だけど、今年は12月の予約は1件も入っていません」

 「リモート勤務で人通りが少ないし、常連は9割が来なくなった」と、やきとん店の男性店長(45)。「大きな声を出す客には、しょっちゅう注意しているんだ」という。居酒屋の男性店長(63)も「消毒とか間隔を空けるとか、ありきたりな対策しかできない。あとはお客さんに気を付けてもらうしか…」と話した。

マスク外す会食は高い感染リスク

 多くの人が会食での感染を心配している。本当のところはどうなのか。「他の行為と比べて、リスクが高い」と国際医療福祉大の高橋和郎教授(感染症学)は断言する。「マスクをしたまま食事するのは不可能に近い。特に対面しての飲食は一層リスクが高まる」

 数字も高橋さんの話を裏付ける。厚生労働省のまとめで、同じ飲食店で複数人の感染が確認されたのは、今年2月から11月2日までに全国で461件。それが16日には522件まで急増した。東京都の集計では、濃厚接触者の感染経路が会食だったのは、2日までの1週間で7%。翌週は10%に増えた。

 「今年は忘年会を控える人が多いのではないか」と推測する高橋さん。「お店の人には酷だけど、医療スタッフの立場から言えば、感染リスクを避けるには会食をしないに越したことはない」と語る。

避けられない忘年会ならどうリスクを抑えるか

 とはいえ、年末にかけて例年なら一杯やる機会は増える。避けられない忘年会がある人もいるだろう。少しでも感染リスクを抑えるにはどうしたらいいのか。

記者会見で、感染防止対策をしている店に掲示される認証ステッカーについて説明する東京都の小池百合子知事=7月30日、都庁で

記者会見で、感染防止対策をしている店に掲示される認証ステッカーについて説明する東京都の小池百合子知事=7月30日、都庁で

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言によると、5人以上の飲食だと大声になって飛沫が飛びやすく、リスクが高まる。飲酒する場合、なるべく普段から一緒にいる人と少人数、短時間で済ませるよう推奨。箸やコップの使い回しを避け、参加者同士は正面や真横に座るより、斜め向かいに座る方がリスクが低いとする。

 医師で医療ジャーナリストの森田豊さんは「飲酒すると交感神経が刺激されテンションが高まるので、大声になりやすい。酔いすぎないよう適量にとどめてほしい」と話す。つまり、酒はほどほどにということ。さらに、森田さんは「マスクを取る時間をできるだけ少なくする」と求める。

食事中以外はマスク、間隔は最低1mを推奨

 そもそも食事中は口の中で唾液が増える。食べながら話すと、飛沫は飛ぶ。それを防ぐのがマスク。森田さんは、忘年会や宴席では「めりはりが大切」と話す。具体的に言うと、あいさつや歓談の際は全員がマスクを着ける。食事の時間は20分間と決め、話はせずにゆっくり食べる。こんな工夫が必要だ。

 「幹事が、全員にマスクを着けてもらうルールや、食事やあいさつの時間を分ける式次第を作るのも一案だ」(森田さん)

 「密」も避けたい。どれくらいのスペースが必要か。「日本フードサービス協会」(東京)などが作った外食業向けガイドラインは、テーブルや客のグループ同士の間隔を2メートル、最低でも1メートル空けることを推奨する。ただ森田さんによると飛沫は1メートル以上飛ぶこともあり、この間隔では足りない可能性がある。

鍋や大皿料理はリスク 鍋奉行1人で取り分けて

 分散開催も一つの手だ。参加人数が多いほど、その中に無症状の感染者がまぎれ、感染が広がる可能性が高まるからだ。森田さんは「例えば20人なら少人数ずつに分散して開くことがベターだ」と説く。

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