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面会交流の法整備求め離婚、別居した親、子、祖父母らが国家賠償提訴へ

(2020年11月2日 東京新聞に掲載)

 離婚などによって別居することになった親と子の面会交流が、当初の取り決め通り果たされないケースが後を絶たない。民法に実行させる規定がないためで、面会を拒否され子と会えなくなった別居親たちが、法の整備を怠った国の責任を問うため今月、国家賠償を求める訴えを東京地裁に起こす。親子のつながりを保てる法の整備も促す。(佐藤直子)

「なぜ簡単にほごにされてしまうのか」

 「最初は不思議でした。子と同居する親と、別居する親とで決めた面会交流が、なぜ簡単にほごにされてしまうのか」。この問題に長年携わってきた作花知志弁護士がため息をつく。

 2011年に改正された民法は、協議離婚の際、どちらが子の親権者になるかや、養育費の分担と面会交流について夫婦で取り決めると定めている。話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所が調停や審判で判断する。

 しかし、面会交流は頻度や方法を決め、別居親に問題がない場合でも、同居親が「もう相手と関わりたくない」などと拒めば子と会えなくなるのが実情だ。コロナ禍では「感染予防」も理由にされている。家裁が面会交流の頻度を決める場合も月1回、数時間が多く、海外のように子育てが十分できる時間ではない。

「単独親権制」の日本、権利に格差が

 なぜ別居親の権利は弱いのか。作花さんによると、日本では離婚後、父母のどちらか一方に親権を定める「単独親権制」を採るため、権利に格差が生まれる。作花さんは、罰則など面会交流を確実に実行させるための規定がないことこそが問題だという。「つまり面会交流は誰の権利なのか、誰が誰に対して実行の義務を負うのかが定められていない」と説く。

 訴訟は作花さんが代理人を務め、10代前半から70代までの男女17人が原告に名を連ねる予定。別居する子と会えないか、会えても頻度が少ない父母、孫に会えない祖父母、別居親に会わせてもらえない子ら、さまざまな立場から面会交流を問う訴訟になる。

 法廷では憲法13条(幸福追求権)などを根拠に、立法を怠った国の不作為を違憲と主張し国家賠償を求める。最大の目的は十分な面会交流を保障する法の整備だ。「親と子、祖父母と孫の面会交流は基本的人権であり、原則自由であるべきだ。それを制限できるのは子の福祉に反する場合だけ」と作花さんは言う。

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