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ため息の夏…負担じわじわ 何か支援を

(2020年6月30日東京新聞に掲載)

 新型コロナが生活を直撃している。職を失ったり、ボーナスをもらえなかったり、支給されても明細を見てため息をついたりした人も多いだろう。それなのにキャッシュレスの最大5%ポイント還元は30日で終わり、その翌日からレジ袋が有料化される。ほかにも所得税、住民税…。負担増がじわじわと人々の首を絞める。今、必要なのは国による生活支援ではないか。 (稲垣太郎、中山岳)

「やめる」「困る」商店街に嘆きの声

 「新型コロナの感染予防にご協力お願いします」―。こんな放送が流れる東京都板橋区のハッピーロード大山商店街。アーケードがかかる通りを、マスク姿の買い物客が行き来していた。

 「うま味がなくなるなら、キャッシュレス払いはしなくなると思う」。東京都豊島区から自転車で15分かけて買い物に来た主婦米内美穂さん(42)は語る。昨年10月、消費税増税に伴って始まったキャッシュレス払いでのポイント還元。話を聞くと、多くの買い物客が30日で終わることを嘆いていた。

買い物客でにぎわうハッピーロード大山商店街=29日、東京都板橋区で

買い物客でにぎわうハッピーロード大山商店街=29日、東京都板橋区で

 商店街の一角にある豆腐店で買い物をしていた近所の無職女性(76)は「せっかくクレジットカードをつくったのに」と残念がる。

 女性は年金暮らし。消費税増税をきっかけに「少しでもポイントがたまるなら」(女性)とクレジットカードを持った。買い物、各種の引き落とし。ポイントを家計の足しにしようと、できるだけ多くの支払いに使った。

 終了によって7月1日から家計への負担がのしかかる。「還元があしたで終わりだなんて。困る」

せめて年内まで…

 書店前の車止めに座っていた男性(80)も「なくなるのは残念」と語る。かつて建設会社を経営し、今は妻と2人で年金暮らし。一時期、驚くほど値上がりしたマスクにも家計を痛めつけられた。男性は「ぜいたくはできないし、マスクも買わなければいけなくなった」と、生活の余裕のなさをこぼす。

 「中小企業は軒並みだめで、知り合いの5社は倒産寸前だ。新型コロナの影響で景気がこんな状態。還元は年内いっぱいまで延ばしてほしい。できればコロナが収束するまで続けてほしい」と男性は望む。

キャッシュレス支払いのポイント還元とレジ袋の有料化を知らせる店先の掲示=29日、東京都板橋区のハッピーロード大山商店街で

キャッシュレス支払いのポイント還元とレジ袋の有料化を知らせる店先の掲示=東京都板橋区のハッピーロード大山商店街で

 路上でスマホを見ていた中国人留学生の女性(29)は近くの寮から商店街の青果店に買い物に行く途中だった。都内の大学院に通いながら日本語教育を学び、寮で自炊生活を続けている。

 大学でのアルバイトと中国の実家からの仕送りで生活している。「昨年秋の消費税増税はきつかった。だから還元はありがたかった」と、流ちょうな日本語で語った。

 コロナ禍で、中国人留学生の友達らは、アルバイト収入が減るなど影響を受けている。「私は減らされていないから、まだ良い方。友人たちは大変そうだ」と女性は思いやる。

レジ袋有料、控除は↓ 住民税↑

 一方、7月1日から始まるレジ袋の有料化。すでにマイバッグで自衛している人が多く、「環境の問題だから仕方ない」という冷静な声がほとんどだった。ただ、冒頭の米内さんは「マイバッグを持たずにふらっと入ったコンビニや100円均一ショップで有料になることには抵抗がある」と複雑な気持ちを口にしていた。

 負担増はこれだけではない。一月からはサラリーマンや公務員で所得税が上がった人がいる。給与所得控除が見直されたためだ。

 控除とは、収入から差し引いて、課税される所得を少なくする金額。制度の見直しで10万円減るなどし、年収850万円を超える人ら200万人超が増税対象になった。来年からは住民税も増える。

 そして年収850万円以下でも税負担に苦しむ人がいる。今、徴収されている住民税は昨年の所得を基に決まっているからだ。新型コロナの影響による景気の悪化で収入が減った人は多い。高い時の給与収入で課せられる住民税は、たとえ金額が同じでも負担感は重くなる。

 税理士で元静岡大教授の湖東京至氏は「今年は住民税の負担を特に重く感じている人が多い。10万円の定額給付金を1回もらっただけでは生活を支えられらないだろう」と話す。

中小企業悲鳴「消費税収められない」

 企業も負担増にあえいでいる。湖東氏によると、3月以降、売り上げが落ちた中小の事業者から「消費税を納められない」と相談が増えている。国は救済措置として、新型コロナの影響が深刻になってきた今年2月以降、収入が一定の割合以上減った個人や法人に対し、消費税などの納税を猶予する。個人の住民税も対象だ。ただ、湖東氏は「あくまで猶予なので来年以降に2年分を納めないとならず、まいっている事業者や個人は多い」と語る。

消費税の分納を求める書類を手にする男性。消費税増税と新型コロナの影響で納税に苦しむ経営者も多い=神奈川県で(一部画像処理)

消費税の分納を求める書類を手にする男性。消費税増税と新型コロナの影響で納税に苦しむ経営者も多い=神奈川県で(一部画像処理)

 給与明細を見て、介護保険料が上がっていると思った人もいるだろう。

 65歳以上の介護保険料は3年に一度見直され、2018~20年度は全国平均で月額5869円だった。介護保険制度が始まった20年前と比べてほぼ2倍になった。40歳~64歳の保険料も、連動して増えている。4月からは所得の高い会社員らの負担を重くする仕組みも導入された。

 新築建物の固定資産税も21年に高くなる可能性がある。3年ぶりに建物の資産価値を見直すためだ。見直しは昨夏時点の建築資材価格などを基にする。東京五輪に向けて高騰していた時期。住宅の資産価値が高く計算されると、それに応じて税額が上がる。

「Go  To」どころじゃ…

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