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途上国に寄り添い続ける医師・国井修さん アフリカの苦難 3大感染症とコロナ禍

(2020年6月22日東京新聞に掲載)

 新型コロナ感染症のパンデミック(世界的大流行)は、以前からエイズ、結核、マラリアの三大感染症に苦しむアフリカやアジアの開発途上国にも暗い影を落としている。スイス・ジュネーブに本部があるグローバルファンド(GF)の幹部として、途上国の感染症対策に取り組んできた国井修医師(57)は「先進国と同じやり方では助からない命がある」と、新型コロナ禍の新たな対応を模索している。 (安藤恭子)

国境封鎖で食料や薬が届かず

 「アフリカはまさに新型コロナの流行が拡大中。感染とともに国境や都市の封鎖で、多くの人々が仕事を失った。必要な食料品や薬が届かない地域もある」

 六月第二週から在宅勤務が解けたというジュネーブの国際機関ビルのGFオフィス。国井さんは「こちら特報部」のオンライン取材に危機感をにじませた。

 国井さんが働くGFは二〇〇二年設立。日本を含む六十三カ国の政府やマイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏の財団などが出資する官民連携の国際機関だ。感染症対策が十分にできない約百三十カ国に対し、年間約四十億ドルを供与。現場の人材育成や治療薬の供与などをしてきた。

国井さんが考えるコロナの怖さは

 新型コロナは六月、世界の感染者数が八百万人を突破し、死者も四十万人を超えた。「新型コロナの怖さは『油断させる』ところ。無症状者や発症前の人々が広げてしまう。欧州では医療崩壊が起き、フランスでは致死率が19%まで高まった。見たことがないような広がりの感染症だ」

 国井さんによれば、GFに対し九十カ国以上の途上国から支援要請があり、さらに増える見込み。申請後三日ほどで資金拠出を決め、防護服や診断ツールなどの提供を始める。将来の新たな感染症に対応できるよう、検査やサーベイランス(感染症の発生動向調査)への支援も行っている。

 だが、新型コロナ対策だけではアフリカなどの発展途上国の状況は好転しない。「現場で何が問題となっていて必要なものは何か。三大感染症と新型コロナという双方の感染拡大を抑えるには、どうすべきか。現場と連絡を取り合って、毎日チームで奮闘している」

コロナより桁違いに被害大きいのに…

 国井さんが言う「三大感染症」とは、エイズ、結核、マラリアのこと。国連の持続可能な開発目標(SDGs)で「二〇三〇年までの流行終息」を目指している。GFは目標達成に向けたエンジン役を担う。

 世界では三大感染症だけで年間に二億人以上が感染、二百万人以上が亡くなる。新型コロナと比べ、桁違いに被害が大きい。国井さんは、こちらに注目が集まらないことに、複雑な思いを抱く。

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東京新聞 特報Web

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