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気になる携帯料金値下げの行方 菅首相がこだわる理由は…選挙?

(2020年9月24日東京新聞に掲載)

 菅義偉首相が優先課題と位置付ける携帯電話料金の引き下げ。官房長官時代の2年前に「4割程度下げる余地がある」と発言して以来取り組むテーマだが、実際の料金水準は高止まりが続いている。既に法改正などの手は打った状態で、これから国民の期待に見合う値下げを実現していくのは容易ではない。本当にできるのか。こだわり続ける理由を、「選挙のためでは」といぶかる指摘も出ている。(木原育子、榊原崇仁)

コロナで見直す人増えても…3社で寡占

 携帯ショップがひしめく東京・秋葉原。大手3社(NTTドコモ・au・ソフトバンク)や格安スマホ事業者の料金の比較表が、あちこちに並ぶ。福祉系事業所に勤める会社員男性(64)は「バリバリ働いていた頃は料金にそこまで関心がなかったけれど、定年後は家計もシビア。高いな…と目につくようになってきた」と切実な様子だ。

 菅首相が意欲を示す値下げについて、昼休みで散歩中の会社員女性(30)は「携帯料金は高い。本当に安くしてもらえるのなら財布に優しいのでうれしい」と期待。一方で「政治家がいち民間企業の経営に首を突っ込めるのかな。やり玉に挙げられた携帯事業者はちょっとかわいそう」とも話す。

 近くのショップの店員によると、新型コロナウイルス感染拡大で家計を見直す世帯が増え、大手から格安事業者への乗り換えも「ぽつぽつある」という。だが、「通信環境の良さは大手にかなわない。格安事業者の爆発的人気とは言えず、事実上主要3社の独占状態」だそうだ。

 料金プランの変更に来た千葉県市原市の女性(72)は契約時、動画の見放題や留守電機能などさまざまなサービスが付いたプランに入ってしまい、毎月1万円を超える料金になっていた。「プランがわかりにくい上、若い店員の言っていることがさっぱりで、結局言いなり」。両親を介護している清掃作業員の男性(64)は値下げについて「悪い施策ではないんだろうが、コロナ禍の医療体制、生活保護世帯へのセーフティーネット、高齢者の介護施策など、もっと急がなくてはならない懸案事項がある。分かりやすいウケ狙いでは」と力なく語った。

特報①

「4割」発言の後も年間料金は高止まり

 値下げに意気込む菅政権の鼻息は荒い。武田良太総務相は18日、菅首相との会談後、記者団に「1割とかいう程度では改革にならない」とぶち上げている。

 しかし、料金は事実上高止まりの状態だ。総務省の家計調査(総世帯)で、1世帯当たりの携帯電話料金は2012年の年間8万1477円から、「4割」値下げ発言があった18年には10万3343円に増加。翌19年も伸びは鈍化したものの減少には転じず、123円増の10万3466円だった。

 昨年11月公表の総務省のインターネット調査では、携帯電話料金は「安くなってきたか」との問いに、「変わらない」との回答が53%あり、半数以上が実感がわいていない。「料金は安くなっている」と答えた人が25%いる一方、「料金は高くなっている」と答えた人も16%いた。料金プランが「わかりやすくなった」と感じたのは13%、事業者の乗り換えをしやすくなったと思った人は26%にとどまった。

 総務省料金サービス課の川野真稔課長は「料金は各社が決めている」としたうえで、「公正な競争環境を整備することに取り組んでいく」と話す。

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法律変わっても競争が起きないのはなぜ?

 2018年の「4割値下げ」発言後、政府はどんな取り組みを行ってきたのか。

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