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コロナ禍に野菜高騰も…飲食店を直撃「負のスパイラル」

(2020年8月22日東京新聞に掲載)

 長梅雨と猛暑のせいで、野菜の価格が高騰している。家計への影響もさることながら、苦境に立たされているのが飲食店だ。コロナ禍で売り上げが激減する中、原材料費がかさみ、途方に暮れる店が目立つ。難局をしのぐ妙案はあるのだろうか。(榊原崇仁)

22日付右

野菜を切って仕込みをする経営者の粕谷真由美さん=東京都港区の「新橋やきとん」で

 「本当に高いよね。特にキャベツとか白菜とか。コロナで売り上げ、半分以上減っちゃったのに。自然相手だから、しょうがないと思うしかないんだけど」。ランチの準備をしていた「新橋やきとん」の粕谷真由美さん(71)はこぼす。

 この店がある東京・虎ノ門の飲食店街を歩くと、同じような苦悩の声ばかりが聞こえた。

 「レタスにキャベツ、ニンジン。普段の2倍とか3倍とかですよね」。そう切り出したのは「ビストロヒラガ」の平賀美智子さん(58)。「ランチだとサラダで使う。高いのを我慢して買っても、お客さんが来ないことがある。葉物は日持ちしないから、使わないまま廃棄になることもある。そうすると出費ばかり。だからといってメニューからサラダをなくすと、お客さんが離れちゃう」

野菜は2、3倍、売り上げは半減

 コロナ禍で売り上げは半減した。以前は従業員を雇っていたが、緊急事態宣言後は1人で切り盛りする。「もう踏んだり蹴ったり。負のスパイラルですよね」

 そばや日本酒が楽しめる「五六八そば」の高橋淳之介さん(25)は「夜の営業は常連さん頼み。だからこそ手抜きできない。野菜が安いところを頑張って探している。休憩時間に近くのスーパーをのぞき、地方まで行くこともある」と語る。

 「うちは大丈夫」と答えたのは、雑居ビルの地下にある居酒屋店主の男性(44)。ただ、その真意は「お客が来ないから、野菜を仕入れる量が知れている」ということだった。

 野菜の相場は今、大変な状況だ。農林水産省が19日に発表した主な野菜の小売価格動向(10~12日分の全国平均)によると、調査対象の全8品目が平年より高い値になった。特に高値なのがレタスで、平年比の2.4倍に。キャベツも84%、ジャガイモも62%高く、ナスやキュウリも平年より4割ほど高い。

 東京都中央卸売市場の週間市況(7~13日分)を見ても、白菜の価格は前年同期比で3.7倍、ニンジンは3.1倍、ネギが2.9倍だった。

 農水省園芸作物課の朝倉勇一郎課長補佐は「冬から春にかけて安値で推移していた。コロナ禍で『巣ごもり需要』が増え、5月ごろから値上がりした。その後の長梅雨で日照不足になった上、今月に入ると猛暑となり、生育が滞った。結果的に供給量が減り、価格も上がった」と説明する。

 お盆明けで農家の出荷量が増え、価格はやや落ち着いてきた。それでも「天候の問題は難しいところ。台風が来ないとも言えませんので」(朝倉氏)。

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