見出し画像

人気YouTuber空回り 長い、高いで神奈川県コロナ動画炎上

(2020年9月1日東京新聞に掲載)

 神奈川県が作成した新型コロナウイルスの感染予防対策動画の評判が散々だ。人気ユーチューバーを起用して880万円もの予算をかけたのに、動画のコメント欄は「くだらなくてびっくり」「税金の無駄遣い」と酷評の嵐。自治体作成の動画は「女性蔑視」と批判を浴びてすぐに配信をやめたケースもあれば、2億回再生された例もある。何が成否を分ける鍵なのだろうか。(古川雅和)

中華街をだらだらと

 動画のタイトルは「神奈川県で彼女? 1万円企画して色々満喫してきた」(13分21秒)。自身のチャンネルに約97万2000人の視聴者が登録する「かの/カノックスター」さんと約10万1千人の「たすく」さんのユーチューバー2人が、横浜中華街を巡りながら感染予防策を紹介する。ユーチューブの県の登録チャンネル「かなチャンTV」で31日夕までに約9万回、カノックスターさんのチャンネルで約26万回、再生されている。

 動画は、2人が雑談しながら中華街を歩き、料理を食べる映像が続く。時折、料金支払いの際にトレーを使うといった各店の対策を説明。新しい内容はなく、ひたすら長い印象がある。

神奈川県が人気ユーチューバーを起用して制作した動画の一場面=「かなチャンTV」より

神奈川県が人気ユーチューバーを起用して制作した動画の一場面=「かなチャンTV」より

費用880万円の内訳は「非公開」

 26日の定例記者会見では「制作費は妥当か」「女性が不快感を覚えるタイトルではないか」などの質問が続出。黒岩祐治知事は「費用対効果が理解いただけるようになってくると期待している」「女性がどうして不快感を抱くのか、その感性は分からない。問題はない」と答えた。

 動画は、提案した4社から選ばれたAny  Mind  Group(東京都港区)が制作。県総合政策課の弟子丸 剛和(でしまる よしかず)グループリーダーは「短期間で数多くの閲覧がある」と効果を訴えつつ、批判の多さについては「今後につなげていきたい」と述べた。費用の内訳は「県の情報公開条例で、企業の権利や今後の活動に影響を及ぼす内容に当たり、非公開にしている」(弟子丸氏)という。

相場は200万円…「予算に見合っていない」

 県の動画の問題点はどこにあるのか。自治体のPR動画に詳しい「ぐろ~かるCM研究所」の鷹野義昭所長(57)によると、PR動画の制作費は200万円程度が多い。広告・宣伝費を含めると今回ぐらいかかることもあるとはいうものの、県の動画は「撮影に金をかけておらず、予算に見合っていない」と鷹野氏。自治体の動画は4分程度が多い中で13分余もあり、途中で飽きて視聴をやめてしまわれがちなユーチューブでは致命的だ

この続きをみるには

この続き: 450文字

人気YouTuber空回り 長い、高いで神奈川県コロナ動画炎上

東京新聞 特報Web

100円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

ありがとうございます。いただいたサポートはさらに読み応えのある記事にしてお返しします!

ありがとうございます! 書いた記者に伝えます!
3
東京新聞で半世紀以上続く名物ページ「こちら特報部」の記事を配信します。モットーは「ニュースの追跡」「話題の発掘」。無料公開の公式サイト「東京新聞 TOKYO Web」https://www.tokyo-np.co.jp では読めない記事がここにはあります。