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国立ハンセン病資料館で雇い止め、元学芸員が救済申し立て

(2020年9月21日 東京新聞に掲載)

 ハンセン病患者らが差別された過ちを後世に伝える国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)で雇い止めされたのは不当労働行為だとして、元学芸員2人が加入する「国家公務員一般労働組合」が東京都労働委員会に救済を申し立てた。相手は、厚生労働省から過去に運営を受託していた日本財団と、現在受託している笹川保健財団。人権の大切さを伝える場所で、何が起きているのか―。(大野孝志)

指定管理者交代のタイミングで

 うっそうとした木立に囲まれた国立療養所多磨全生園(たまぜんしょうえん)。資料館は、元患者らが暮らす同園の一角にある。雇い止めされたと訴えている稲葉上道(たかみち)さん(48)は大学院在学中の2002年に学芸員となり、学芸課長や資料管理課長を務めた。もう1人の40代女性は17年以降、学芸員として展示解説や資料収集などに取り組んだ。

雇い止めになった経緯などを説明する稲葉上道さん=東京都千代田区で

雇い止めになった経緯などを説明する稲葉上道さん=東京都千代田区で

 雇い止めは、指定管理者が交代するタイミングで行われた。日本財団は「資料館の管理業務の比重が増え、本来の船舶等の振興に影響を及ぼしかねない」などの理由で20年度の受託を断念し、入札で笹川保健財団(笹川財団)になった。

 日本財団は「ハンセン病について知見と実績がある」として、笹川財団に入札参加の検討を依頼したとし、笹川財団は「依頼前から受託を検討していた」と説明する。両財団は関係が深く、笹川財団は日本財団創始者の故笹川良一さんが初代会長。本部は日本財団ビルにあり、日本財団から助成金も受けている。

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国立ハンセン病資料館で雇い止め、元学芸員が救済申し立て

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