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講演会の整理券を配ったら、副町長が中止を求めてきた。「核のごみ」で揺れる北海道寿都町

(2020年10月23日東京新聞に掲載)

 「核のごみ」の最終処分場調査を巡って揺れる北海道寿都町で、調査受け入れに反対する住民らが町内の道の駅などで、小泉純一郎元首相の講演会の整理券を配ったところ、副町長がやめるよう求めた。「公の場所だから」が理由という。町は23日になって配布を了承したが、過去には「内容が政治的」として自治体が施設を貸さない事例が全国で相次いだ。今回も自治体の恣意的な判断が言論、集会の自由を損なう危険性を示している。(大野孝志)

小泉純一郎氏の講演会、人数把握のため

 講演会は「日本の歩むべき道」と題し、町民らでつくる「子どもたちに核のゴミのない寿都を! 町民の会」が11月3日、町総合体育館で開く。定員500人のうち400人を町民、同時に調査受け入れを表明した神恵内村の住民を50人、両町村や周辺町村の首長ら50人を招待する予定。入場料は無料だが、人数把握のために整理券を配ることにした。

 会はチラシを新聞の折り込みに入れ、町内の「取扱店」に置いた。希望者はチラシに名前や住所を書き、取扱店で整理券と交換する。取扱店は美容室やペンションなどのほか、多くの人が集まる「町設民営」の道の駅と日帰り温泉の両施設が含まれている。

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「現場」となった道の駅=北海道寿都町で

配布開始日に電話

 だが、配布を始めた21日、会の共同代表の吉野寿彦さん(60)に、田中司副町長(64)から電話があり、立腹した様子で「なぜ勝手なことをするのか。公共の場だ」などと配布中止を求めたという。会は22日朝、片岡春雄町長に質問状を送り、両施設での整理券配布を認めるよう求めた。

 この問題で、「こちら特報部」が22日に町役場に取材すると、副町長は不在や打ち合わせ、来客中だとして応じなかった。町は23日、質問状への回答として「検討を重ねた結果、整理券の配布を了承する」とした。

中止を求めた根拠はどこに?

 道の駅や温泉施設の使用や物品販売の許可は、町条例に基づき、町長に代わり各施設の指定管理者が行う。吉野さんは「両施設とも町主催ではないコンサートのチケットを売ったこともある。今回の配布は事前に施設の了承を得た。会が求めている住民投票条例の制定は、早ければ23日にも本請求というタイミング。副町長の発言は嫌がらせとしか思えない」と憤る。

 会の事務局の東田秀美さん(57)は「講演会は環境や街づくり、子どもの健全育成にかかわり、政治的なものではない。副町長の発言は、公の施設の利用で差別的な扱いや正当な理由なしに拒むことを禁じた地方自治法に違反しており、理解できない」と語る。

戸惑う現場

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東京新聞 特報Web

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