見出し画像

防衛省が防衛白書で読書感想文を一般募集…その狙いは

(2020年8月21日東京新聞に掲載)

 小中学生にとって夏休みの宿題の定番と言えば「読書感想文」。実は防衛省も読書感想文コンクールを実施中だ。課題図書はなんと7月に公表した「2020年版防衛白書」。約600ページもある上、どう感想を書けばいいのか見当もつかない内容だ。このコンクール、いったい、どんな狙いがあるのか。 (石井紀代美)

副賞は富士総合火力演習のペアチケット

 「どなたでも応募可能ですので、多くの方々からの応募をお待ちしています」。防衛省のホームページ(HP)にある募集要項は、こう呼び掛ける。コンクールの対象図書は、20年版防衛白書に限定。400字詰めの原稿用紙5枚以内で感想をまとめる。昨年が初の開催で、今年が2回目だ。

 優秀作品に選ばれると、来年3月に防衛省本省に招待され表彰される。審査委員長は防衛副大臣。最優秀賞には副賞として、富士山の麓で戦車などの射撃を行う「富士総合火力演習」や「自衛隊音楽まつり」のペアチケットが贈呈される。

 昨年のコンクールでは、10代から70代まで、計78人の応募があり、7人が受賞。同省HPで公開されている受賞作品を読んでみると、いずれも、「国際社会の安定のために活動するという自衛隊の意思をとても感じた」などと、自衛隊の活動や装備品調達について理解を示す内容ばかりだった。

国内外から寄せられている“感想文”の内容は

 実際に防衛白書を手にしてみた。電話帳のように分厚く、ずっしり重い。図やグラフが多めにあしらわれてはいるものの、内容は国際情勢や防衛政策、装備品などで、文体も硬い。物語の主人公に自分の体験を重ねるという、一般的な読書感想文で行う読み方をするのは困難だ。

自衛隊の活動

白書は自衛隊の活動や防衛政策について書かれているが、どう感想文を書けばいいのか…

 ちなみに、今回の防衛白書に対する「感想文」は、すでに国内外から続々と出ている。公表当日の7月14日、中国外務省は「中国への偏見と虚偽に満ちており、脅威をいたずらにあおるものだ」と批判。一方、新聞各紙も社説で、「『中国の脅威』を明記せよ」(産経新聞)「『軍拡』の口実にするな」(東京新聞)などと白書を読んだ上での意見を主張している。

コンクール企画の狙いは?

 そもそも、なぜ防衛省はこんなコンクールを企画したのか。大臣官房広報課報道室の中野友人氏は「国民の理解をよりいっそう得るとともに、今後の防衛白書作成に役立てるために実施している」と説明する。

この続きをみるには

この続き: 546文字

防衛省が防衛白書で読書感想文を一般募集…その狙いは

東京新聞 特報Web

100円

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

ありがとうございます。いただいたサポートはさらに読み応えのある記事にしてお返しします!

ありがとうございます! 書いた記者に伝えます!
2
東京新聞で半世紀以上続く名物ページ「こちら特報部」の記事を配信します。モットーは「ニュースの追跡」「話題の発掘」。無料公開の公式サイト「東京新聞 TOKYO Web」https://www.tokyo-np.co.jp では読めない記事がここにはあります。

こちらでもピックアップされています

安倍政権の7年8カ月
安倍政権の7年8カ月
  • 33本

安倍政権の7年8カ月を「こちら特報部」の記事で振り返ります。(過去記事も随時、追加していきます)