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逮捕された芸能人・有名人の勾留 なぜいつも湾岸署?

(2020年11月3日 東京新聞に掲載)

 道交法違反容疑で逮捕された人気俳優の伊藤健太郎さんが釈放された時の映像。背景の建物に既視感を覚えた人もいるのでは。東京湾岸署(東京都江東区)。東京で逮捕された芸能人が必ずと言っていいほど勾留される場所だ。大麻取締法違反(所持)罪で起訴された俳優の伊勢谷友介さんや、過去には女優の沢尻エリカさんも勾留された。なぜ、湾岸署ばかり使われるのか。(古川雅和)

警視庁だけでなく麻取も使う

 10月30日夜、「本当に申し訳ない。被害者の方々に一生かけて償いたい」と涙目で頭を下げた伊藤さん。カメラのフラッシュがガラス戸に反射する署の入り口前は、これまでに何度もテレビで映されている。

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釈放され、謝罪の言葉を述べる俳優の伊藤健太郎さん=東京都江東区で

 シンガー・ソングライターの槙原敬之さん、俳優のピエール瀧さん、元アイドルグループメンバーの田口淳之介さん、女優の酒井法子さん…。

 湾岸署で勾留された著名人は多い。警視庁だけでなく、厚生労働省の関東信越厚生局麻薬取締部も使っているのも一つの要因だ。

警視庁が直轄、女性用施設もある

 その湾岸署は1879年10月に創設された水上警察署が前身。2008年3月末で水上署が廃止になり、同時に東京港臨海地区を包括的に管轄する東京湾岸署が誕生した。

 このいきさつだけでは、芸能人・有名人が移送される理由は分からない。警視庁に問い合わせた。「明確な基準や明文化された規定はなく、捜査側の要望を受けて留置管理1課で調整する」とのことだった。

 では、どのような人だと湾岸署へ、と捜査側は要望するのだろうか。

 「芸能人や著名人など社会的反響が大きいもの、暴れたり、他者に危害を加えることが予想できる場合」(警視庁)などは、警視庁本部が管轄する留置施設で容疑者を受け入れる。湾岸署はその一つ。場所こそ署にあるが、警視庁直轄の留置施設ということ。さらに、女性用の留置施設もある。同署の周囲に民家や商業施設、幹線道路がなく、混乱を避けられることも理由の一つだ。

周辺民家、留置人数少なく監視も取材にも便利

 また、一般的な3~5人の房に有名人を入れると、予期せぬトラブルが起きかねない。警視庁関係者からは「湾岸署は単独房が多い」という話も聞こえてくる。ただ、警視庁は単独房の数は公表していない。

 「湾岸署は特殊なところ」と、警視庁OBは話す。通常、警察署は地域の治安を守るために人が多い場所に建てられるが、湾岸署はそうではない。「他の警察署に比べて、逮捕する被疑者の数が少なく、留置場は空きがち」というのだ。届け出や相談などで署を訪れる人の数も「圧倒的に少ない」ので、芸能人がいても混乱は起きにくい。

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