見出し画像

だました2000億円が残り200万円!?ジャパンライフ詐欺事件、被害救済なぜ難しい

(2020年10月7日、東京新聞に掲載)

 悪質なオーナー商法を展開したとされる「ジャパンライフ」の巨額詐欺事件で、同社元会長の山口隆祥容疑者(78)と娘で元社長のひろみ容疑者(48)=ともに詐欺容疑で逮捕=の個人資産が約202万円しかないことが、2人の破産手続きで分かった。被害額約2000億円からすれば10万分の1で、あまりに少ない。被害者からは「本当にこれだけしかないのか」と憤りの声も上がる。(木原育子)

個人資産たったの202万円

 警視庁などの合同捜査本部によると、ジャパンライフ(破産手続き中)は44都道府県の高齢者ら延べ約1万人から計約2100億円を違法に集めたとみている。だが、被害者への返金の原資となる元会長の山口容疑者の資産はたったの202万円で、ひろみ容疑者は財産がないとされたまま、債権者集会はわずか3回で終了することになった。

 ジャパンライフの債権者集会は継続中だが、元従業員への未払い賃金も4億6000万円ほど残っており、破産法上は被害者の返金より優先される。被害弁護団の石戸谷豊弁護士は「管財人は消費税の還付請求をしており、これが戻れば配当が可能になる」と語る。

ジャパンライフ

詐欺容疑で逮捕されたジャパンライフ元会長の山口隆祥容疑者=9月18日、東京都文京区で

 計1億1500万円の被害に遭った埼玉県川越市の男性(76)は「個人資産をどこかに隠しているに違いない」と憤る。山口容疑者はかつて、ジャパンライフの研修会で「銀行は信用できないから、現金は資料と一緒に段ボールに入れておくのがいい」と言っていたといい、「山口容疑者は、転んでもただでは起きない。破産管財人は警察とも協力し、隠し財産を捜してほしかった」と落胆する。

被害者には、ほどんど金が戻らない

 だが、ジャパンライフに限らず、過去の事件でも被害者にはほとんどお金は戻っていない。過去最大の4200億円の被害額だった安愚楽牧場事件の配当率は5%程度。干し柿など食品の「オーナー制度」を展開していたケフィア事件でも、配当率は1%ほどだ。信者から多額の現金をだまし取った宗教法人「法の華三法行」事件では、配当率27%だったが、宗教法人でもあり「異例」とされた。

 安愚楽牧場事件やケフィア事件の被害弁護を担当した紀藤正樹弁護士は「破産申し立ての時期が早ければ、その分だけ財産はまだ残っており、配当率は上がる傾向にある」と説明。

 ジャパンライフの場合は消費者庁が2016年末に業務停止命令を出したが、形態を変えるなどして「延命」し、破産手続きが始まったのは18年3月。弁護団によると、その間に山口容疑者は6000万円、ひろみ容疑者は1800万円を個人口座から引き出したと破産管財人から説明された。

詐欺事件の回収が困難な理由

この続きをみるには

この続き: 476文字

だました2000億円が残り200万円!?ジャパンライフ詐欺事件、被害救済なぜ難しい

東京新聞 特報Web

100円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

ありがとうございます。いただいたサポートはさらに読み応えのある記事にしてお返しします!

ありがとうございます! 励みになります!
東京新聞で半世紀以上続く名物ページ「こちら特報部」の記事を配信します。モットーは「ニュースの追跡」「話題の発掘」。無料公開の公式サイト「東京新聞 TOKYO Web」https://www.tokyo-np.co.jp では読めない記事がここにはあります。

こちらでもピックアップされています

備忘録・後で読む
備忘録・後で読む
  • 43本